エステティック業界ニュース

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2023.06.29

業界ニュース

「美容ライト脱毛」サービスにおいての法令遵守と安全確保のお願い

【日本エステティック機構・日本エステティック振興協議会】

日頃よりエステティック産業の健全化についてご協力を賜り感謝申し上げます。
2023年6月21日に大阪府警察本部は、大阪市西区の脱毛サロンオーナー及び従業員を医師法違反及び業務上過失致傷の容疑で書類送検したことを発表いたしました。

発表によると「2人は昨年8月中旬、20代の女性に脱毛の施術を行い、背中に加療1~2週間のやけどを負わせた疑いがある。毛をつくる細胞を破壊する強い光を照射する脱毛には医師免許が必要だが、2人は免許を持っていなかった。」ことを書類送検の理由としています。
光を使用した脱毛行為については、2001年(平成13年11月8日) 、厚生労働省医政局医事課長通知 により、「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」 は、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反するとあります。
日本エステティック機構及び日本エステティック振興協議会はかねてより、本通知に抵触しないエステティックサロンで行う安全に実施できる脱毛サービスとして「美容ライト脱毛」の定義を定め、「美容ライト脱毛」とは、除毛・減毛を目的に皮膚に負担を与えず毛の幹細胞を破壊しない範囲で、エステテティックサロンにおいて行われる光脱毛をいう。」としております。

また、 2017年(平成29年)5月11日、独立行政法人国民生活センター報道発表「なくならない脱毛施術による危害」においてもエステティックサロンにおける可能な施術範囲が示されています。
「美容ライト脱毛」の安全性に関する3つの条件は

① 安全基準等を満たす機器の使用

② 脱毛に関する十分な知識と技術を備えた技術者による施術

③ 法令遵守等を実施する経営者による運営

としており、上記を遵守し脱毛サービスを実施することを全国のエステティックサロン事業者にお願いしております。

このたびの大阪府警により書類送検をされた容疑者は、「美容ライト脱毛」の定義及びその安全性に関する3つの条件を満たしていないと考えられるため発生した事件であると考えており、つきましては上記「美容ライト脱毛」の定義を再確認していただき、脱毛を実施する全ての皆様に、日本エステティック振興協議会が主催する美容ライト脱毛安全講習会及び認定美容ライト脱毛技術者講習会の受講、経営者の皆様においては日本エステティック機構が主催する「サロン運営管理者講習会」の受講をお願い申し上げます。
なお、今回加害者であるサロン側が書類送検となった一つの要因として、サービスを提供したサロン側がお客様にやけどを負わせたことを軽視し、その回復についての措置を放置したことにあると推測します。
脱毛サービスに限らず、提供したサービスにより、万一、事故が発生した場合には、サロン側は利用者の健康回復に関して責任もって対応しなければなりません 。

一部のサロンにおいては「サロン側はサロン内で事故が発生した責任を一切取らない」等とする条項がある契約をお客様と結んでいることを理由に、お客様の健康危害を放置する事例が散見されますが、このような契約条項は消費者契約法第8条により無効となります。
多くの脱毛サービスを実施しているサロンの皆様は、すでに上記のことを遵守いただいていると存じますが、改めて本事件を教訓としエステティックサービスの安全な提供に一層のご協力を賜りたくお願い申し上げます。
なお 本件に関してのご質問及びご相談は、下記機構にお願い申し上げます。
各位におかれましては、エステティック産業の健全な発展及び消費者保護に、引き続きご協力を賜りたく存じます。

特定非営利活動法人日本エステティック機構
電話:03-3230-8002

メール: pr@esthe npo.org